ご支援の概要

お客様:医療法人財団 朔望会グループ
テーマ:管理職研修
対 象:60名(30名ずつのグループに分かれて実施)
目 的:部下育成の共通言語獲得
形 式:3時間研修を月に1回 6ヶ月

ご支援の成果

・全管理職の共通言語化による意識統一
・受講生同士の自発的な学びの場や関係構築の機会創出
・下の階層への展開

◆インタビューにご協力いただいた方:  

右から人財部伊藤課長、藤澤主任
インタビュアー:当社池田


◆研修実施の背景

池田:

今まで、貴法人では外部講師を招いての研修をほとんどされていなかったと伺っております。そんな中で、管理職全員に対して、3時間の研修を6回、対面で実施するというのは大きな決断だったかと思います。
その決断に至った背景を伺ってもよろしいでしょか。

伊藤様:

きっかけは理事長が「よりエンゲージメント高く、職員が組織への愛着やつながりを感じながら働くための土台作り」を推進する号令をとったことです。以前から「ブランディングプロジェクト」を進めていたこともあり、改めて法人にとって何が重要かを言語化するタイミングにきていました。

プロジェクトを進める中で、「あるべき人物姿」を以下の3つの言葉に集約させました。

  1. 使命感を持って寄り添う
  2. 倫理観を持って正しい選択をする
  3. 連携力で組織の壁を取り除く

そして、これらを体現するためには、管理職が一丸となって取り組む必要性を感じていました。
理事長が想いを発信したとしても、現場の職員にはなかなか届きません。管理職一人一人の発するメッセージ、部下との関わり方、現場における言動。そういったものが法人の文化を作っていきます。そのため、管理職が一定期間、時間と場を共にして共通言語を学ぶ場が必要であると考えました。

また「働き方改革アンケート」を実施した際に、管理職側からも「部下とのコミュニケーションに悩んでいる」という声があり、研修に対するニーズが上がっていました。

藤澤様:

私が入職する以前にも研修はあったようなのですが、単発で終わってしまい、その後、学びが根付かなかったと伺っていました。そのため、やるからには単発の研修で終わらずに継続的に学びを実践につなげる“学習の循環”を作ることが重要と考えていました。そういった思いから、全管理職を対象に全6回の連続研修を企画しました。


◆課題に寄り添いながら伴走してくれるパートナー

池田:

法人のあるべき姿を実現する一歩目としての重要なプロジェクトだったのですね。
そういった中で、パートナーとして弊社を選んでいただいた理由を伺えますか。

伊藤様:

複数社からご提案を受けましたが、他社様は「パッケージの研修」の印象が強かったのですが、貴社は私たちの課題を深掘りし、課題感に合わせたご提案をしてくださいました。「自法人の課題感に寄り添いながら伴走してくれるパートナー」を探したいと考えていたので、まさにその印象と合致しました。実際に研修が始まってからも、毎回アンケートの結果やコメントをみながら内容を修正くださったので、当初の期待通りでとても満足しております。

また、今後の展開として管理職研修以外にも研修を実施することを考えておりましたので、「管理職のコミュニケーション研修にとどまらず、その後も人材育成や組織開発全体を見据えた伴走支援をしていただける」と感じた点も大きかったです。


◆受講生の姿勢の変化

池田:

お二方としてはそういった思いはありながらも、やはり毎月3時間、6ヶ月という長期間において、対面で研修に参加することを義務付けるとなると、反発の声もあったのではないでしょうか。

伊藤様:

おっしゃる通り、最初は業務が忙しい中でそれだけの時間を拘束されることにネガティブな反応は少なからずございました。私たちも懸念はあったのですが、いざ始まってみると前向きな姿勢の受講生が多かったように感じます。先述通り、管理職自身も部下との接し方に悩んでいたこと、また基本的に新しいことを学ぶということは好きな社員が多いことが挙げられるかと思います。

研修の進め方においても、3時間という限られた時間の中で、講義だけではなく個人ワーク、ディスカッション、ケーススタディー、デモ、相互ロープレなど、参加型で実施いただいたのが良かったです。また、質問に対する池田さんの回答がとても明確で納得感のあるものだったという声が多々上がっていました。そういったことから、とても実践的な内容であったのが良かったのだと感じています。

私も受講生の一人として参加していましたが、実際に学んだことを現場で活かしたり、研修以外の時間でも集まって意見交換したりなどが積極的に行われているのを見て、回を重ねるごとに学びに対する熱量が高まっていくのを肌で感じました。それは「学んだことを実践すると変化が生まれる」という実感を得たのも大きかったと思います。

また、人事から見ると学びに対して少し消極的に見えた方が、休憩中に個別に質問に行く姿も見え、とても嬉しい変化だと感じました。

研修の風景

藤澤様:

研修の内容ももちろん良かったのですが、「定期的に集まって意見共有をする場」自体がとても良かったと感じます。
管理職の悩みは当然現場で相談することはできませんので、多くの方が一人で抱えていたのだと思います。それが同じ階層で意見を共有することで、悩んでいたのは自分だけではなかったのを知れたり、成功事例の共有や悩みに対する相互フィードバックをできる機会となり、とても貴重に感じていたようです。アンケートでも、月に一回の研修の場を楽しみにしている声が多々見れました。

研修後に一緒に食事をしに行く機会も多々生まれていたようで、最終的には「やって良かった」「終わるのが寂しい」との声が多く寄せられました。また「下の層にも同じ内容を教えてほしい」など、今後の展開に対しても多くの声が出てくるようになりました。

池田:

私も受講生の方が本当にみなさん学びに対して前向きかつ積極的で、それが回を重ねるごとに高まっていくのを実感しておりました。現場の実践も生まれているということで嬉しい限りです。

伊藤様:

そうですね。6ヶ月という長期で実践できたことが本当に良かったです。今までそれぞれが自分流でやっていたことが共通言語ができたので、学びが現場の実践まで浸透し、相互の学び合いが生まれているように感じます。

毎回、アンケートにおいて学んだ内容の実践状況を可視化していただいたので、その変化が見れたことが受講生のやる気にもつながっていたと思います。


◆「知っている」から「できる」への深掘り

池田:

今後の展開についてはどのようにお考えですか。

伊藤様:

今の状況を風化させないためにも、定期的なフォローアップの機会は提供していこうと考えております。
池田さんからいただいた動画や振り返りの仕組みを活用しつつ、人事として定期的なケース研修や相互フィードバック会などのワークショップを開催していこうと考えております。

藤澤様:

先述通り、下位層への展開も考えております。他の層にも展開し、法人としての共通言語とすることでより実践への浸透が図られると考えておりますので、次年度は主任層へと展開していきたいと考えております。
また企画からよろしくお願いいたします。

池田:

ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
最後に、この研修をこういった法人に、こういった方に紹介したい、というのがあればぜひ教えてください。

伊藤様:

基本、部下育成に悩まれている全ての管理職の方にお勧めしたいです。部下との「信頼関係構築」において必要な基本的なことを一通り学ぶことができます。

また、管理職として様々な学びをされてきた方は、もしかしたらすでにどこかで聞いた内容が多く含まれているかも知れません。ただし「知っている」と「できる」は違います。私もそれを強く実感しました。知っていても、実際に自分のケースに当てはめてみたり、ワークをしたり、ロープレをしてみたりするとできないことが多々ありました。
「わかる」で終わらずに、深掘りすることで「できる」にすることが、この研修の大きな価値だと感じます。

藤澤様:

管理職同士の横のつながりが薄い、という法人様にもぜひおすすめしたいです。すでにお話しした通り、共通言語をもとに、同じ課題感を抱えている管理職同士が定期的に集まる場を作れるということが、非常に大きな財産であったと改めて感じています。

池田:

改めて半年間ありがとうございました。また他の層への展開も引き続きよろしくお願いいたします。


<受講生の声>

・部下とのコミュニケーションスキルを習得することや、育て方や考え方など、しっかりと教えていただける機会が今までなかった為、大変ありがたかったです。
・今まで部下育成を我流で行ってきていたため、理論を教えていただいたことで、スタッフに説明もしやすく、私自身が周りと報連相をしやすくなりました。
・「プレイヤーとして優秀なことと、部下を育成する能力は別」というのを聞き、他の方も同じ壁にぶつかっているのを知って、少し気持ちが楽になりました。全てを実践できるようになったとは思いませんが、少しでも自分が管理職者として成長出来るよう、今回学んだことを活かしていきたいです
・何となくやっていたことを、理論として再確認する事ができ、本当に勉強になる事ばかりでした
・今までは。相手が批判的なことを指導すると受け入れずに退職してしまうのではないか、と恐れ指導できていませんでした。研修を受け、相手を知り、相手に合った指導方法があることを知れました。
・私を含めて多くの管理者は、経験値で物事を判断することが多いと思いますが、講義を受けたことで、エビデンスに沿って判断し指導でき、また自分を整理することができました

研修アンケートより抜粋


<6ヶ月間の研修プログラム>

学びの定着を主眼とし、3ステップを全6回、インプットセッションとフォローセッションを交互に実施しました。